[書評] 仕事は楽しいかね? デイル・ドーテン 人生を成功に導くヒントをストーリー形式で具体的に教えてくれます

仕事は楽しいかね?
いわゆる人生の成功の秘訣をかいた自己啓発本です。社会にでて仕事を続けるというのはいつしか単調で変化のない、もやもやとした人生にふと迷った時、この本はあたらしい気付きを教え、背中を押してくれる本になるかもしれません。

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30代半ばの主人公がふとしたことで老人と出会い人生のヒントを教わるストーリー

35歳の主人公が、ある日空港で足止めをくらい、一晩過ごすハメになります。すると、そこで偶然にも老人と話すことになるのですが、この老人はいわゆる凄腕の資産家といった人で、色々話しをするうちに一晩のあいだに、成功の秘訣について具体的な実例をあげて説明されながら学んでいくおはなしです。成功者の成功ストーリーと、なぜその人は成功にいたったのか?老人のある考えを論理だてて説明していくのですが、随所にサクセスストーリーの実例をあげているので説得力がます構成になっています。もちろん、物語形式なので読みやすいです。

夢をかなえるゾウに似ていると思います。こういう自己啓発本はテンプレート化されているのかもしれません。しかし、歴史的に成功してきた人のストーリーなどは大変面白く読めますし、大量の取材をもとに作られたのが見て取れます。偉人伝の美味しいところをかいつまんで読んでいるような楽しいストーリーは、誰が呼んでも楽しめると思います。読めば誰でも成功します、というところはなんとも言えませんが。。

面白かった・気になったポイント洗い出し

本書を呼んで気になったところや感心したところ、面白かったところをかいつまんで洗いだしてみます。

勤めだして、ほぼ15年になります。この15年の間に、何を誇れるようになったのか。何を達成したと言えるのか。私にいえるのはこれだけです。

「そこそこの給料をもらっている」

なんとも哀愁のただようシーンでしょう。しかし大きくうなずくサラリーマンはおおいと思います。自分を客観的に振り返ると、意外と、

「自分って、なにしてきたんだろう・・・」

という想いを抱くことは誰しもがあることだと思います。このような表現でうまく読者を引き込んでいます。

「大好きなことをしろ!」

いいアドバイスには違いない。だけどこれには1つ問題あがある。多くの人は、自分がどんな仕事が大好きか、どういう仕事をこの先ずっと、毎日、朝から晩までしたいか、わからないということだ。

この、好きなことに全力を尽くすというのは本当によくみます。自分も、好きなことがあれば必ず全力で精力を注ぐぞ!と思うのですが、本当に自分の好きなこと、ずっと夢中になれることを探すのは難しいです。今のところブログを書くことを楽しみながらやっているつもりですが、本当に大好きで四六時中やっていけるかというと、自分でもわかりません。なかなか自分では自分のことってわかってないんですよ。

あるいは、みんなこう口をそろえてこの問題から離れていく。「大人になったものの、何になりたいかわからない」

ぐさっと刺さる人は多いのではないでしょうか。

頭のいい人がする一番愚かな質問は、「あなたは5年後、どんな地位についていたいですか」というものだ。

地位とまではっきり聞くのはあまり日本ではないでしょう。ただ、これならあるでしょう、あなたは5年後どのような立場で仕事をしていたいですか。や、どんな役割をになっていたいですか、どのようなキャリアを積みたいと考えていますか。これらはみんな同じです。どんな人間になっていたいとか、どんな地位になっていたいというのはほんとにあほらしい質問だと思います。キャリアをどう積みたいとか言ってる会社はまさに組織の衰退へ足を踏み入れています。なぜなら、今見えてるようなことを、5年後もやっていて、ビジネスで果たして生きていけるのか?5年程度では変わらなくても、そういう思考自体どうなの?と私は思ってます。

遊び感覚でいろいろやって、成行きを見守る

これがこの本書で一番いいたいことです。これがなんのことか、具体的にはどういうことを意図しているのかは本書を読めばよくわかります。

昔はよく人にこう聞いたものだ、「どんなことを考えているのかね」いまじゃこう聞く

何を試してきたのかね。

考えるということはとても大事なことです。ただ、実行に移すというのはもっと大切なことです。やれそうでやれない、いつでもやれるという人はきっとずっとやりません。そう、何を試すかというのはこの言葉以上に深い意味合いがこめられています。

一連の姿勢が正しくありさえすれば、望むものは何でも手に入ると思っているかもしれない。だけどね、望みうる最良のものは、手に入れた物を好きになることなんだよ。

一見、正しい順序というのはとても大切かとおもいきや、社会というのはそう甘いものではありません。ひょんなことから手に入れた、その時点ではなんとも思っていないものこそ、最良のものに成り得るものなんじゃないでしょうか。本書を読めばそのあたりを具体的な例でふんだんに説明しています。

だけど、やっぱりこの問題がある。小説を研究しても小説家になれないように、成功を研究しても成功は手に入らないという問題が。

そういうことですね。むしろ失敗からのほうが学ぶことは多いものです。成功は複雑な要因がからみあっているので、なかなかその要素だけを抽出しようとしてもうまくいかないものです。逆に失敗は何かを間違えたことだけは確実ですから。そこを改善すればいいわけです。

彼らはね、他人を凌駕する人材になろうとしているけど、それを他人と同じような人間になることで達成しようとしているんだ。

結局人は影響される生き物ですから。抜かせや根性でやっていても、同じように次の世代の人に抜かれて虚しい人生を送るということだっておおいにありますからね。ただ、人を気にせず生きるというのも非常に大変で、エネルギーのいることです。

ある事柄が完璧だと決め込んでしまったら、その事柄はそれ以上よくならず、ライバルに追い抜かれるのをただ待つだけだ。

完璧主義はまったくいいことではなく、どちらかと言うと人より劣った病気だと思っています。なぜなら昔自分がそうだったから。無限時間で生きているならともかく、本質を見逃しているということをそのまま宣伝しているようなものですから。そして、完璧を目指すとは別に、完璧だ、と思ってしまってもそこから衰退が始まる。こういうのは、あまり難しく考えずひょうひょうとしてもっと面白いやり方はないかな?という探求心があればいいのかな。

供給過多の状態が価格競争を引き起こし、企業は価格に振り回されてしまう。それでどうやって利ざやを維持できるだろう。企業は自分に関わるものも圧迫するー下請け業者や従業員をガツンを殴りつけてね。いまは”経費を削減する人”が会社の英雄とされる時代だ。

ひどいもんですが、これは大いに事実ですね。しかしここから逆のことも学べます。無能でも、経費さえ削減し続ければ、英雄になれる。ということです。そうして安易に経費削減だけが叫ばれ、よりピラミッドの下位を犠牲にするという権力さえあればだれでも出来る方針でさらに上位を目指すわけですね。組織が衰退しようと関係ないね。という人が上に行くというのも恐ろしいことですがね。価格競争に巻き込まれてはいけないというのは以前に紹介した記事でもありました。(参考までに)

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周りを見まわせば、有能なのに月並みな仕事ばかりして定年を迎える人がいっぱいいて、気の滅入るような時代だ、なんて結論にいたらざるを得ない

ほんとうにそう思います。こういう時代はまだまだ続くのか。そしてそれを座して待つのか?

あらゆることをしろ。素晴らしいアイデアは、どこからやってくるかわからないのだから

あらゆることです。とにかく思いついたらあらゆることを、実際に、行動、実行、しなければならない!のです。動くことによって素晴らしいことがわかったり、素晴らしいアイデアに変わることというのが真理なのかもしれません。

好奇心を旺盛にすること。実験好きな人だと評判になったら、みんなのほうからアイデアを持ってきてくれるようになるよ

そう、思い切ってなにか宣言して旗を振ると、意外とみんなのほうから寄ってきたりしてもらえ、より情報が集まり、結果的に本当に第一人者になったりするものです。ここでも行動しなければそうならないわけです。実験している人というのも、面白いことやってるなというところには人は集まるものです。

覚えておいてくれ。試すことは簡単だが、変えるのは難しいということを。

試すことは確かに簡単に出来るかもしれません。ただ、何かを発見して、それを周りの批難や否定の中、突き進めるでしょうか。大変勇気もいるでしょう。エネルギーだっているでしょう。メンタルだって強くなければ続きません。実際問題、やりっ放しではなく、そこから変えていくということには結局困難があります。そういう覚悟の上で、色々試せる人になりたいですね。

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いかがでしたでしょうか。気になる方は是非ここからチェックしてみてください。

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