[書評] 浮雲 二葉亭四迷 是非人生に悩んでいる若い方に読んでもらいたい

二葉亭四迷という、国語だか社会だかで聞いたことある名前でしたが、作品は読んだことがなく、聞いたことある名前だったので読んでみようと思って読みました。非常に読みやすく、人間臭い中身は、没頭して楽しむことが出来ました。
浮雲 (新潮文庫)

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人生に悩める若者は読めばいいんです

なんというかね、ダメなやつなんですよ、主人公が。ポンコツなんです。賢いけど人間としての愛すべき?ポンコツ。勉強はできるけど、世渡りはヘタッピな人で、内気で一人もんもんを悩む姿をずっとみていく観察バラエティ的な要素があります。

人生全然上手くいかない!楽しくない!いいことない!自信がない!という方!是非この作品を読んで下さい!

大人は言います、そんなに考えすぎなくていいよ、悩みすぎだよ、深刻に考えすぎだ。と。

ただ、若いうちはその日1日1日毎日が深刻ですよね。わかったような口で説教してくるな、と。

誰にも相談出来ない内気な人とか特にこの作品はあってますよ。非常に具体的にそんな人の日常をシミュレーションしながら観察出来る感じです。悩む心の内側、葛藤、勇気を出すに出せない、怒るけど表に出せない、不器用だけど頑張ろうとするも頑張れない、怒られる、立場的に弱い・・・etc.

問題だらけの主人公の文三さんを見ていると、人生、そんなもんでいいんだ、そんなもんなんだ、というのが、リアルな具体例から感じ取れます。

もう、今回読んで言いたいのはそれだけです。もっと若いうちに読んでおけばよかったと。

ただ、作品は面白いです。三島由紀夫の豊饒の海の第一巻、春の雪のような若い人のヤキモキ感がリアルに伝わってきます。


登場人物が少ないので読みやすい

とにかく、登場人物が少ないので読みやすいです。

主人公の文三、居候で、お世話になっている家のおばであるお政とその娘お勢と下女のお鍋。文三の友達で要領のいい本田昇。それくらいです。

内海文三はお勢に好意を寄せています。そして思い通りにならない人生や他人。それを目の前に文三は賢い頭で色々かんがえてはみますが、所詮他人をあやつることなど出来ません。状況を打破する強気な性格でもありません。

彼なりに一所懸命考えますが、考えるだけでは事態は変わらないわけです。行動するまでのしきい値が高いのなんの。さすが内気な文三くん。

読んでいると、おいコラッ、文三、そこっ、、違う!何やってんだ!そうじゃな・・・ああっ!ばかやろうなーにやってんだっ!と言ってやりたくなります。まぁ、そこはよむひとの年齢や性格に左右されるでしょう。

人生うまくいかない人、人間関係がうまく出来ない人、悩んでいる人も面白い本をさがしている人も、みんなに何か感じさせるところがある作品だと思います。

浮雲 (新潮文庫)

浮雲 (新潮文庫)

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新潮社
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