[書評] 戦争論<上> クラウゼヴィッツ 歴史的名著で素晴らしい気付きを沢山得られるが翻訳がゴミ

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やっと、やっと読み終わった・・・。これが正直な感想です。名著・戦争論ですが、やっとこさ上巻だけ読み終わりました。上中下とあるのでまだ1/3ですが。

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クラウゼヴィッツと戦争論

クラウゼヴィッツは彼自身軍務に就いていたこともあり、一時的に捕虜にもなったことのある戦争経験者です。士官学校で教育を受け、その後に政治学、軍事学の論文を執筆する教養を習得したとあります。非常にロジカルな文章で構成されており、1つ1つの項目が、読んでいてうーんとうなされるところが非常に多い。ナポレオン戦争後に書き始めたとこもあってか、引用には多数ナポレオン軍の行動などがあげられている。また、フリードリヒ大王の戦役を執筆しただけあって、フリードリヒ軍の引用も多いです。私はあまりそちらの歴史に詳しくないので、「あー、義経のひよどり越えね」というように想像することが出来ず、このあたりは苦労しました。

これは読み物というより、非常に示唆に富んだ重要論文というものです。現代の戦争はそれこそ無人機が爆撃を行うようになっているくらいですし、核兵器がある現代では、核抑止力を利用した均衡など、現代で通じるところはあまりない。

・・とお思いのアナタ!決してそんなことはありません。少なくともこの上巻では、あまり戦術の細かい方法などについての言及はありません。陣の形態やら攻撃方法や作戦など・・・そういうところではなく、戦争の定義とは、戦略と戦術の違いとは、攻撃と防御について理路整然と順序立てて説明し、考察されています。

また、組織論に通じるところもあると私は感じて読んでいました。また、完全に理論だけではダメで、情報と精神を分けて、精神というものも非常に軍に影響を与えるものであるとあります。将師のあり方や、その器や技量にいかに左右されるものかなど、現代の組織にも通用する考察が多々あり、うなずきながら読み進めるところも多かったです。

全てを台なしにするレベルの翻訳

私が読んだのは、岩波文庫の戦争論です。この翻訳がこれがまぁ、酷い。もしかしたら、現代の国語が昔と比べて変わってきていて、それによって読みにくいという部分もあるとは思います。ただ、明らかに日本語としてどうなの、っていうレベルで書かれていて、例えて言えば、日本人で英語がすごく出来るけど日本語がまともに書けない残念な人が翻訳を引き受けてとりあえず書いてみました。という感じ。単語それぞれを訳しましたという感じで、もうとにかく1文理解するのに何回も何回も読みなおすことがずーーーーっと続きます。

なにか一例を出しましょうか。

これらの実例に徴すれば、読者は我々が徒らに空論を弄んで無駄骨折をしたという批難を論者に加えられることはあるまいと思う。

・・・どうです?これはまだ分かりやすいほうだと思います。1回だけ読んでください。1発で理解出来ましたか?同じ単語を使っても、こうもわかりにくい書き方しますかね?何回か読めば理解できると思います。こういう文章が、ずーーーーっと続くのです。

それは、もう苦痛ですよ。苦痛。しかし書いていることは非常に良い。良すぎる。絶対読んで損はないことが書いてあるんですが、読むのに時間がかかりすぎて、時間換算したら、他の本読んでたほうがいいのではと思ってしまうほどに読みにくいです。私がもっているのは53刷だから、もう少しマシになってもよさそうなものの、もう根本の文章がダメ。煮ても焼いても食えないとはこのことか。。論文調というのも多少読みにくくしているのかもしれません。やはり有名なものだったので、できるだけそのままのものを読みたかったので。。

***

私は、迷っています。中巻、下巻をどうしよう、と。上巻を読むに、内容はとてもよかったんですよ。ただ、読むのに時間がかかりすぎて、全体の内容は把握出来ていないんですよね。それくらい内容・密度が濃く、物理的に読みにくいという本でした。読みやすく解説している本は沢山ありますが、そういう本で重要な部分をつまんで理解するのが確かに効率も理解もいいような気がしますね。今はまんがで読破という本もありますから。本職の人は別として。そっちを買おうかな・・・

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